雨も止み、新たに北海道の最北の地【稚内】を目指す。
1日休養ができたことで、体力がかなり回復している。
体力、気力というのは、慢性的に溜まり、筋肉痛にとってもとても良い効果が現れた。
見慣れた地平線、風力発電、時々通る車とバイク以外、本当に何もない道を本日も北上。
文章に書くとたったの3行程で終わってしまうが、実際は朝の6時から、夕方4時頃までただただ、ペダルを漕ぐ、無味、無感想な時間。
当時、自転車をこいでいる時は、
*面倒臭い
*足が痛い、お尻も痛い
*眠い
*将来何しよう
*過去の自分はどうだったかな?
様々な感情と、一人対話をしている。
時々現れる道路の標識に、容赦の無い3桁kmのお知らせの度に、一喜一憂する。
あと50キロ走ったら昼ご飯だ。
お昼ごはんは何を食べようかな。
この辺の人はどんな生活、どんな人生なのだろう。
思いは尽きない。
そんなこんな妄想という最高に贅沢な時間を過ごしているうちに本日の宿、
ライダーハウス兼レストラン【漁師の店】に到着。
ここは、ホームページなどなく、旅人の口コミだけで、成り立っている場所なので、グーグルマップなどで、「稚内 漁師の店」などと検索して欲しい。
日本、〒097-0026 北海道稚内市ノシャップ2丁目3−8
電話番号0162-22-0303
こちらのライダーハウスは、このレストランオーナー兼漁師である大将のご厚意で、北海道を旅するライダーやチャリダー、徒歩ダーが、格安で泊まれる宿となっている。
確か2500円で泊まれたと思う。
ただ、この2500円の内訳はただ雑魚寝、寝袋で泊まれるだけでない。
*1階のレストランの看板メニューである【ウニ丼】が食べれる。
*夜2階の広間で、その日採れた魚の刺身とかなまこと、月桂冠が振る舞われる
*翌朝も栄養たっぷりの朝食が振る舞われる。
正直、宿代はむしろマイナスなくらい、最高のおもてなしをしてもらえる。コスパ最強すぎる、素敵な宿である。
うに丼なんて、人生で食べたこと無い、豪華な料理なので、自転車旅をする楽しみの一つだった。
しかも、口コミのみなので、今までのライダーハウスで、知り合った方に情報を聞いていたので、と手も楽しみだった。
4時くらいに着き、うに丼まで時間があったので、近くの温泉に行くことにした。
近くの温泉も、露天風呂が、大絶景で、利尻富士が見えるかなりオススメのお風呂だった。
日本最北端の温泉という事で、真夏の7月なのに、日中でもなかなか肌寒かったので、温泉で身体を温めたらかなり気持ちよかった。
温泉の後はお待ちかねのうに丼。
夕方6時から、食事会。
4時の時点では7人くらいの客だったのが気がついたら20人近くに増えていた。
皆さんはじめましてだが、みな旅人で、バイク屋自転車旅という共通の目的のためにすぐに打ち解ける。
どこから来た?どういうルート?おすすめの場所、レストラン。
年齢、国籍、そういう垣根が無い、不思議な空間である。
いわば現代版ミートアップとも言える。
僕は31歳だったが、20人中したから4番目くらいの若さだった。
50代60代が、ほとんどで最年少が19歳。
旅って、勝手なイメージで20代とか、若い人が多いが、バイク旅はどうやら違い、50代60代でも現役でできる旅だという事を学んだ。
ただ、少子高齢化の問題は少し気になった。
趣味の多様化で、バイクに乗る人が減っただけど思いたいところだ。
ウニ丼をみんなで食べた後は、2階の雑魚寝部屋に行き、7時から大将を囲んでみんなで宴会。
大将は、何十年と漁師をやってきた現役でカッコいい生き様だった。
その日獲れた刺身とかナマコをみんなに振舞ってくれて、月桂冠まででてきた。
JR東日本で働いている人が、2年後に新たに半世紀ぶりにできる山手線の新駅の名前を知っているけど、企業秘密で教える事ができないとか、興味深い話をたくさんした。
色々な人と交流したが、その中で強者の旅人がいた。
それは最年少の19歳の旅人。
彼はシンガポールと日本のハーフの大学1年生だけど、休学して徒歩で東京からやってきた。
ひたすら海岸沿いを歩いて、4ヶ月半で、日本最北端の稚内までやってきた。
徒歩で1日40キロ毎日歩くらしい。しかも、30キロ以上の荷物をかついで。
彼の荷物を担がせてもらったが、めまいがするくらい、肩に食い込む重さで、本当に奇跡的な人だ。
今まで4ヶ月の間、何度も車で途中まで乗って行くかと誘われたがまだ一度も乗っていないらしい。
そして、予算もあまりないから、いつも食パンを買って、ジャムもつけずに、それと水を飲んで生活しているらしい。
40キロを毎日歩くだけでも過酷なのに、そのうえ食でも我慢して日々生活しているのか…
正直頭が上がらない。
初志貫徹。
これからはひたすら南下していく。
こういう面白い生き方をしている旅人に会えると、生きてて良かったと思えるし、これからの人生も楽しみが、増える。いつか僕も挑戦しようという新たなやる気が貰えるからだ。
人生で、震える瞬間は、なかなか無いがまさにらその日であったような気がする。
旅の戦友であり、一生応援していきたい。
旅人は朝が早いので9時頃にはお開きとなったが、その飲み会、そして、楽しい交流は終わった。
やる気と、元気をもらったとても有意義な一日だった。
また、明日も元気にこぎたい。
それでは、このあたりで。
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